戦国時代から安土桃山時代を生きた戦国大名の1人である徳川家康。
戦国時代に終止符を打ち、江戸幕府を開府した初代征夷大将軍として有名な歴史上の人物です。
徳川家康はその生涯の中で多くの名言を残しています。
今回は徳川家康の名言の意味や、そこから学べる事を解説していきます。
徳川家康の名言1「滅びる原因は自らの内にある」
「滅びる原因は自らの内にある」
徳川家康が師として仰いでいた武田信玄が病死し、その際に徳川家康が発した言葉です。
徳川家康の師であり宿敵でもあった武田信玄がいたおかげで緊張状態が続き緩みがなかったが、武田信玄が死んだ今、いちばん恐ろしいのは味方の中から起こる油断や裏切りであることを意味した言葉です。
味方からの裏切りは、時には何よりも恐ろしいものになります。
自分がいちばんだと徳川家康が驕り高ぶっていたら裏切りが多数出たかもしれません。
しかし徳川家康は、信玄のおかげで軍が保てたことを理解しており油断することもありませんでした。
自分のことを厳しく律していたからこそできた発言です。
滅びる原因を自分の中に作らないように心がけていたことが垣間見えます。
徳川家康の名言2 「重荷が人をつくる。身軽足軽では人は出来ぬ」
「重荷が人をつくる。身軽足軽では人は出来ぬ」
ここでの人というのは、徳川家康自身のことを指します。
徳川家康は幼いころに今川家に人質としてとられていたり、我が子である信康に切腹を命じたり重い過去を背負って生きた人です。
しかし、それを気に病むのではなく、その過去があったからこそ今の徳川家康がいるのだという意味がこの言葉に含まれています。
何の経験もなければ、人格というものは生まれてきませんよね。
暗く重たい背景も、自分をつくるためのものだと思えば良いということが学べます。
徳川家康の名言3 「世に恐ろしいのは、勇者ではなく臆病者だ」
「世に恐ろしいのは、勇者ではなく臆病者だ」
勇者(強い軍隊)は向かってくる敵に対して勝つか死ぬまで戦いますが、臆病者(弱い軍隊)は敵が強ければ逃げ、弱ければ必要以上に追い続けます。
つまり、戦うべき時に戦う勇者より無用な戦いを続ける臆病者が恐ろしいということです。
これは徳川家康が臆病者に追われていたというより、自軍から臆病者が出ることを嫌っていたような意図が含まれています。
徳川家康が天下を取った後に、自軍の臆病者が平民に対して無駄な殺戮や略奪を行ってしまうと民衆からの信頼もなくなってしまいます。
これは、現代におけるいじめ問題にも通じるものがありますね。
臆病者ほど自分より弱いものを必要以上に追い詰め、自分は強いと誇示したがります。
そういった人は恐ろしいということがこの名言から学び取ることができます。
徳川家康の名言4 「あぶないところへ来ると、馬から降りて歩く。これが秘伝である」
「あぶないところへ来ると、馬から降りて歩く。これが秘伝である」
徳川家康が小田原攻めに加勢した際に、馬術の達人であった徳川家康が、川を渡るときに下馬して渡ったことを付き人に指摘されこの言葉を語っています。
馬術の達人だからといって、それに甘んじて他の人がしないような危険を冒したり無謀なことをすることは良くないと諭しています。
これは、ビジネスなどの現場に当てはまることが多いのではないでしょうか。
自分の特技を自覚しすぎて天狗になると、その部分がなあなあになりミスが増えます。
得意なことでも慎重さを持つことが必要だということを教えられますね。
徳川家康の名言5 「勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害はその身に至る」
「勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害はその身に至る」
勝ってばかりで負けを知らないと、逆境に陥った時乗り越えられない、だから負けることも大切だという意味の名言です。
この名言は、武田信玄と戦い惨敗した徳川家康が放った言葉です。
背景を知ると少々負け惜しみのようにも聞こえますが、惨敗した自分の姿を肖像画にして残させて自分への戒めへするほど悔しがったようです。
負けを知らずにずっと勝ち続けてきて、いざという時に挫折をしてしまったという経験は誰しもにあることではないでしょうか。
そうならないためにも、負けを知っておくことは重要だと学べますね。
負けを知ると次に勝つための戦略も練るわけですから、負けることは必ずしも悪いことではないと徳川家康が教えてくれています。
徳川家康の名言6 「水よく船を浮かべ、水よく船を覆す」
「水よく船を浮かべ、水よく船を覆す」
この言葉の中で水は家臣、船は主君のことを指しています。
主君が家臣に愛情深く接していれば、それに報いるように家臣は働きます。
しかし、不当な扱いを受けていると家臣は謀反などを起こし、主君を裏切ることもしてくるだろうという意味が込められています。
幼い頃から誰かに仕え、後には自分自身が主君になった徳川家康が自分自身に言い聞かせていた言葉のようです。
誰かの上に立つことがある方ほど、この言葉から学べることは多いのではないでしょうか。
リーダーだからといって、下の人たちを不当に扱っていると自分の身を滅ぼしてしまうことになるということが読み取れますね。
徳川家康の名言7 「不自由を常と思えば不足なし」
「不自由を常と思えば不足なし」
質素倹約をモットーとしていた徳川家康らしい言葉です。
徳川家康は、贅沢な暮らしをしていると危機感を覚えるほどの倹約家でした。
不自由な生活が当たり前なら、何も不満を感じることはないという意味合いの言葉です。
あれもこれもと欲しがっていると、欲が途切れませんよね。
贅沢しすぎずわざと不自由な暮らしをしていれば、不満は起こらなくなっていきます。
不自由をどうにかしようという知恵もついていきます。
これから貯金などを始めたいという方は、この言葉をモットーにしてみましょう。
徳川家康の名言8 「心に望み起こらば、困窮した時を思い出すべし」
「心に望み起こらば、困窮した時を思い出すべし」
心に欲が生まれたら、貧しく苦しかった時を思い出しましょうという意味の名言です。
上で紹介した「不自由を常と思えば不足なし」に通ずるものがありますね。
欲が生まれた時に困窮していた頃を思い出すと、あの頃に比べて今は恵まれていると実感することができます。
また、欲を出しすぎると貧しい時期に苦労したことが無駄になることが教えられます。
幼少期から苦労を超えてきた徳川家康だからこそ言えた言葉ですね。
今が恵まれていることに気付くための、核心をついた名言です。
徳川家康の名言9 「多勢は勢いを恃(たの)み、少数は一つ心に働く」
「多勢は勢いを恃(たの)み、少数は一つ心に働く」
人数が多い軍はその数に頼ってしまいがちなので思ったよりも弱いが、少数の軍は意思を統一しやすいので意外と強いものという意味の名言です。
人数の多い敵軍に少数で立ち向かわなければならない時に放った言葉で、とても納得させられてしまう言葉ですよね。
企業で例えると、大きな企業よりも小さな企業の方が意志の伝達を行いやすいです。
全員に伝達できるので統一も行いやすいですね。
人数の勢いだけで立ち向かうより、一致団結している方が策略などに強いです。
人数が少ないからと言って諦める必要はないということが学べます。
徳川家康の名言10 「戦いでは強い者が勝つ。辛抱の強い者が」
「戦いでは強い者が勝つ。辛抱の強い者が」
戦場で勝利をおさめるのは、力が強い者ではなく辛抱強い者という意味です。
徳川家康は「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」で有名ですが、鳴くまで待つという辛抱強い徳川家康ならではの名言だと感じます。
力の強さももちろん大切ですが、勝機というのは時の運で力の強さだけで切り開けることではありませんよね。
必ず勝つために、そのタイミングを辛抱強く待つことも必要だと学ばせてくれます。
負けるだろうと思っていた人が勝ったという経験はありますか?
そういった人は、辛抱強く勝機を待てる人なのかもしれませんね。
徳川家康の名言11 「己を責めて、人を責むるな」
「己を責めて、人を責むるな」
自分に都合の悪いことが起こった時、誰かを責めるのではなくて、自分の何がいけなかったのか考え直してみましょうという教えが込められています。
この名言は、現代でも通ずることが多くあるのではないでしょうか。
不都合が起こった時に、他人を責めてばかりでは解決策も出てきません。
自分自身の行動を改めて思い返して原因を追究することで、成長にも繋がりますし対策も思い浮かんでくるものです。
誰かを責めているばかりでは、チームの成長にもなりませんし雰囲気も悪くなります。
責めるなら自分を責めて解決した方が良いということが学べます。
徳川家康の名言12 「怒りは敵と思え」
「怒りは敵と思え」
怒りという感情は、相手が間違っていて自分が正しいと思い込むことで生まれ、それをぶつけてしまうとぶつけられた相手は敵になりますよね。
また、怒りは自分の判断も狂わせてしまう感情なので結果的に自分を滅ぼしてしまう敵になるという広い意味で敵という言葉が使われています。
徳川家康は家臣に慕われていた武将ですが、慕われる理由が分かる名言ですね。
怒りという感情は自分自身に悪影響でしかないと徳川家康は悟っていました。
怒りは時に、恐ろしいほどに自分を蝕んでいくものです。
この名言を心に置いて、自分を滅ぼしてしまわないようにしていきましょう。
徳川家康の名言13 「人の一生は、重荷を負うて遠き未知をゆくがごとし。急ぐべからず」
「人の一生は、重荷を負うて遠き未知をゆくがごとし。急ぐべからず」
この名言で言う重荷とは、大切なものという意味です。
徳川家康は家臣や領民をとても大切にしていましたが、勢いに任せた判断ミスや負け戦で大切な家臣たちを失った経験もあります。
この名言は自分自身を振り返って語られたもので、大切なものを持ちながら成功への道を急ぐと、途中で大切なものを失ったり力尽きてしまうことになるので、焦らず生きていきましょうという意味を込めています。
やはり徳川家康は辛抱強く、忍耐の人であるといえますね。
ゴールへと急いだがためにその場の勢いや周りに流されて判断することは、大切なものを失ってしまうので危険なことだということが学べます。
徳川家康の名言14 「人生に大切なことは、五文字で言えば『上を見るな』七文字で言えば『身の程を知れ』」
「人生に大切なことは、五文字で言えば『上を見るな』七文字で言えば『身の程を知れ』」
こちらの名言も徳川家康が自身に言い聞かせるために言っていた言葉です。
徳川家康は、織田信長に比べて戦は得意ではありませんし、豊臣秀吉のような要領の良さもないことを、自分自身で分かっていました。
自分を把握していたからこそ、上を見て誰かと比べようとせず、身の程を知って現状を把握することが大切だという意味を込めた言葉を放ちました。
誰かと比べてもろくなことがありませんよね。
自分の得意なことや現状を知り、それを役立てることが重要だと教えてくれています。
徳川家康の名言15 「諫(いさ)めてくれる部下は、一番槍をする勇士よりも値打ちがある」
「諫(いさ)めてくれる部下は、一番槍をする勇士よりも値打ちがある」
まず、諫めるという言葉は部下が目上の人に指摘したりすることを意味します。
自分は戦が得意ではないと把握していた徳川家康は、自分に従って戦で結果を出す勇士よりも、自分を諫めてくれて大局的に成果をあげようとする人材が必要という意味でこの名言を残しています。
自分が何かをしようとした時に反対した人というのは目の敵にしてしまいがちですが、そういった人ほど自分よりも冷静に物事を見ているものです。
何かをしようとしている時、躍起になっていたりと自分では冷静さは保てません。
自分に反対して諫めてくれる人ほど大切にするべきだということが学べます。
徳川家康の名言16 「得意絶頂のときこそ隙ができることを知れ」
「得意絶頂のときこそ隙ができることを知れ」
絶好調の時ほど、人には隙ができるものだという意味を含んだ名言で、徳川家康が討ち取った敵に向けて放った言葉です。
得意になっていたり絶頂にいる時ほど、物事を甘く見て隙ができてしまいます。
徳川家康はその隙を巧みについて、最終的に勝利をおさめることが幾度もありました。
この名言から、絶好調の時の隙は命取りになるということが学べますね。
成功した時ほど、冷静でいなければ危険だということを教えてくれている名言です。
徳川家康の名言17 「平氏を滅ぼすものは平氏なり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉なり」
「平氏を滅ぼすものは平氏なり、鎌倉を滅ぼすものは鎌倉なり」
幕府を開く者として、徳川家康自身への戒めとして残した言葉です。
組織というものは外からの攻撃よりも内部から崩壊していくということを歴史上の平家と鎌倉時代を例に出して、徳川家康は自分を戒めていました。
内部にいては、その崩壊に気付きにくいということを意味している言葉です。
内部告発というような言葉をよく聞きますよね。
そういったことから組織は崩壊していくので、内部に敵を作らないようにリーダーは常に注意をしておくべきだということを教えてくれる名言です。
徳川家康の名言18 「過ぎたるは猶(なお)及ばざるがごとし」
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるがごとし」
ここでの過ぎたるは、やり過ぎという意味で、及ばざるは、やり足りないという意味を込めています。
何事もほどほどがちょうど良く、やり過ぎることはやり足りないことと同じくらい良いこととは思わないといった意味の名言です。
悪いことはもちろんですが、良いこともやり過ぎると時には害になりえます。
ほどほどに切り上げるのがいちばん賢い方法だということを学ばせてくれています。
やり過ぎると自分自身も疲れてしまうので、そうなってしまっては意味がないですよね。
徳川家康の名言19 「愚かなことを言う者があっても、最後まで聴いてやらねばならない」
「愚かなことを言う者があっても、最後まで聴いてやらねばならない」
この名言には「でなければ、聴くに値することを言う者までもが、発言をしなくなる」という言葉が続いています。
愚かなこととは嫌味などを含めていて、それを言われた時に自分がどう接してどう対処するかを周りは見ているという意味の名言です。
嫌味を言われて腹を立てたりするより、うまくかわしている人には人が集まります。
そして賢い人も発言をしてくれるようになっていきます。
自分が周りからどう見えているかを考えましょうということを教えてくれる名言です。
徳川家康の名言20 「天下は天下の人の天下にして、我一人の天下と思うべからず」
「天下は天下の人の天下にして、我一人の天下と思うべからず」
天下を取り国を治める者は自分1人だけの天下と思わずに国民の心を思い、国民に寄り添った政治をせよという意味を込めた名言です。
戦を好まなかった徳川家康らしい名言ですね。
この名言は、会社の社長などに心に留めておいてほしい名言です。
自分1人では何も成り立たない、下にいる人の気持ちに寄り添うべきだと理解してくれているリーダーなら、部下を不当に扱ったりもしなくなります。
誰かの上に立つ人こそ、こういう気持ちを忘れてはいけませんよね。
徳川家康の名言のまとめ
徳川家康の名言や、その意味を紹介してきました。
徳川家康はの名言には誰かを諭しているものより、自分自身を戒めている言葉多くありましたね。
戦を嫌い、辛抱強く、家臣に慕われていた徳川家康らしい名言ばかりです。
人の上に立てる度量を持っていた徳川家康だからこそ
本当の意味で戦のない江戸幕府を開府できたのでしょう。
ぜひ、徳川家康の名言を参考に今一度自分を振り返る機会を持ってみましょう!
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